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社会人になって初めての片思い

私が高校を卒業して初めて就職に就いて電車通勤していた頃、私が乗る次の駅から乗ってくる男性に一目惚れしました。
やはり、新卒なのか真新しいスーツを着ていました。まだ、皺もほとんどないくらいで新鮮そのものでした。
高卒なのか、大卒なのかはわかりませんでしたが、背がわりと高く、顔は少し童顔で一見かわいらしい感じの男性でした。
私は、いつも一番後ろの車両に乗って5つ目の駅で乗り換えます。乗り換えの時に一番後ろの車両だと移動しやすかったからです。
実は、その彼も乗り替える駅も一緒だったからか、やはり一番後ろの車両に乗って来ます。
乗り替えた電車で私は1つ目の駅でおりますが、彼はその先まで行くらしくいつも気になっていました。
私は、彼を見つめる事だけでも胸がときめく感じがして毎朝楽しみにしていました。
たまに目が合ったりするとその日一日がなんだか楽しく、仕事中でも彼と目が合った顔を思い出してはニヤニヤしてました。
そんなある日、私が会社の人達と仕事帰りに食事に行った帰りの事です。
だいぶ遅くなってしまって結局最終電車を待っていた時、私の斜め前に並んだ人を見た時、思わず声が出てしまうかと
思ってしまったくらいビックリしました。だって、毎朝見かける彼だったんですから。
彼は、お酒を飲んでいるらしく少し顔が赤く、ネクタイを少し緩めて疲れた様子でした。
最終電車とあって、かなり混んでいましたが、私は、彼が見える位置に立っていました。
駅に停車する度に人が降りて行ってだいぶ空いた時、彼はすでに座って眠っていました。
寝顔がまたかわいらしく、私はもっと見たくて大胆にも彼の隣に座ってしましました。
もう、胸がドキドキして彼の少しお酒の臭いがなんとも生々しくて、彼が私に寄りかかってくれないかと願っていました。
しかし、その願いも叶わずとうとう彼がいつも乗ってくる駅に着く時が来ました。しかし、彼はまだ眠ったままです。
私は勇気を振り絞って、彼をゆすって起こしました。彼がビックリした顔で私をみてきたので、「着きましたよ」って
声をかけると、彼は周りを見渡して現実がわかったのか、飛び起きて降りて行きました。
扉が閉まってから、彼が一度振り返りました。私に笑顔で軽く手を振ってくれました。私も笑って軽く頭を下げました。
もう、夢のようでした。もしかしたら、この次会った時に話が出来るかも、なんて一人で考えていましたが、
いつもの朝の電車に彼が乗ってくる事はなく、それっきり会う事はありませんでした。
今でもたまに思い出しますが、まるで少女漫画のようなストーリーを経験したかのような出来事でした。